予 防 接 種

<はじめての予防注射・・・ワクチンデビュー>

生後2ヶ月になったらワクチンデビューです!

乳児は感染症に対する免疫が未熟なので、早くワクチン接種を始めて、細菌やウィルスから守ってあげなければなりません。

日本小児科学会が推奨する最新のスケジュールはこれ
特に、0歳の予防接種スケジュールはこれ

それにしても複雑です。とりあえず、「ヒブワクチン」と「小児用肺炎球菌ワクチン」と「ロタ」と「B型肝炎」の4種類の同時接種で始めましょう。

<同時接種について>

ここ数年、WHOが推奨するワクチンが次々と日本でも認可され、ほとんどの市町村で公費で接種できるようになりました。

特に0歳児には早期に接種したいワクチンが多くあります。

そのため数種類のワクチンを同時接種(欧米ではあたりまえの事です)することで効率のいいスケジュールをたてることができます。

私も同時接種に問題はないと考えていますが、毎週来院してでも個別の接種をご希望の方はお申し出下さい。

一緒にスケジュールを考えましょう。

<ヒブワクチン>

細菌性髄膜炎などのヒブ(Hib)感染症を予防します。
生後2ヶ月になったら始めましょう。

3〜8週間隔で3回、1歳過ぎに1回追加接種します。
小児用肺炎球菌ワクチンとの同時接種がお勧めです。

平成25年度から定期接種になりました。

<小児用肺炎球菌ワクチン>

細菌性髄膜炎などの肺炎球菌感染症を予防します。
生後2ヶ月になったら始めましょう。

3〜8週間隔で3回、1歳過ぎに1回追加接種します。
ヒブワクチンとの同時接種がお勧めです。

平成25年度から定期接種になりました。
平成25年11月から、7価のワクチン(プレベナー7)から13価のワクチン(プレベナー13)に一斉に切り替わりました。

7価のワクチンで始めている方は、残りの回数は13価のワクチンを接種します。
7価のワクチンで4回終了している方でも、希望があれば4回目から60日以上間隔をあけて13価のワクチンを1回接種するだけで、予防の範囲が広がります。

任意接種なので、9500円かかります。

<B型肝炎ワクチン>

B型肝炎(肝硬変、肝臓がん)を予防します。
世界のほとんどの国で定期接種となっています。

生後2ヶ月から、ヒブ、小児用肺炎球菌と同時接種がお勧めですが、何歳になってからでも接種できます。
4週間隔で2回、その約5ヶ月後に1回、計3回接種します。

平成28年の10月より定期接種になり無料化されました。
平成28年4月1日以降に生まれた子が対象です。

それ以前に生まれた方は、平塚市は市からの援助がなく。
1回5000円です。

<ロタウィルスワクチン>

ロタウィルスによる胃腸炎を予防できるワクチンです。
1価のGSK社の「ロタリックス」、5価のMSD社の「ロタテック」と2種類あります。

当科では、平成25年4月より、「ロタテック」を接種しています。
生後6週から32週の間に、4週以上の間隔で3回内服します。

1回目は必ず15週(できれば12週)までに内服しましょう。
他のワクチンとの同時接種が可能です。

令和2年8月1日以降に生まれたお子様は、10月1日より定期接種(無料)となりました。

<4種混合・3種混合・2種混合ワクチン>

4種混合(DPT-IPV)・・・ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ
2種混合(DT)・・・・・ジフテリア・破傷風

4種混合は平成24年11月導入されました。

1期・・生後3ヶ月から、3〜8週間隔で3回、約1年後に4回目を接種します。
2期・・11歳から、2種混合を1回接種します。

1期は、7歳半未満、2期は11歳〜13歳未満なら無料です。

<麻しん風疹混合ワクチン(MRワクチン)>

平成18年度より、1歳児と年長児の2回接種になりました。その年齢内なら無料です。

年長の時に接種してない方のうち、中1高3の方は無料で接種できましたが、平成24年3月31日で終了しました。

以降は有料です(9000円)。

<水痘ワクチン>

水痘(水ぼうそう)を予防するワクチンです。
日本では接種率が低いので、保育園や幼稚園で流行します。

水痘にかかっている子と接触した場合、2日以内にワクチンを接種すれば、発症を防ぐか、軽く済みますが、流行時は間に合わない事がおおいですので、1歳を過ぎたら接種して下さい。

1回の接種では予防が十分ではなく、接種後3ヶ月以降に2回目の接種をすると十分な抗体ができます。
水痘の2回接種法は諸外国では標準です。

平成26年10月より定期接種となり、1〜2歳の方で予防接種をまだしていない方は2回無料で接種できるようになりました。

それ以外の方は、当院では1回7500円です。

<おたふくかぜワクチン>

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)を予防するワクチンです。

自然感染すると、無菌性髄膜炎、ムンプス難聴、不妊など厄介な合併症があるのでワクチンで予防して下さい。

1歳になったら1回目、年長時に2回目を接種するといいでしょう。
麻しん風疹の2回目と同時接種もお勧めです。

平塚市は市の援助がないので、当院では1回、4500円です。

<日本脳炎ワクチン>

日本脳炎の予防接種は、一時的に接種を差し控えていた時期があるため、平成7年以降に生まれた方は、不十分になっている可能性があります。

全部で4回接種していない方はご相談下さい。

1期は、7歳半未満、2期は9歳〜13歳未満なら、平塚市とその周辺の地域の方は無料です。

経過措置で、当分の間、平成7年4月2日以降に生まれた方も無料で接種できます。

<子宮頸癌の予防ワクチン>

平成25年4月1日から定期接種になりました。小学校6年生相当の年齢〜高校1年生相当の年齢の女子が対象です。

平塚市とその周辺の地域の方は無料です。

平成21年から接種している子宮頸癌の予防ワクチンは「サーバリックス」といいます。
子宮頸癌の予防ワクチンにはもう一種類あり、平成23年9月15日より接種できるようになったのが「ガーダシル」といいます。

どちらも公費負担ですので決められている学年の方は無料です。

サーバリックス vs ガーダシル

日本では「サーバリックス」の方が先に認可されましたが、国際的には「ガーダシル」の方が早く認可されていて、国際的なシェアは、「ガーダシル」が80%です。

「サーバリックス」は2価といって、子宮頸癌を引き起こす2種類のウィルスを予防できます。

「ガーダシル」は4価で、上記の子宮頸癌を引き起こす2種類のウィルスを予防できる他に、膣/外陰上皮内腫瘍と尖圭コンジローマ(外陰部のイボ)を引き起こす2種類のウィルスも予防できます。

両方のワクチンは、子宮頸癌の予防効果はほとんど一緒と言われています。

「サーバリックス」は、初回接種、初回接種後1ヶ月後、初回接種後6ヶ月後の3回、上腕の筋肉内に接種します。

「ガーダシル」は、初回接種、初回接種後2ヶ月後、初回接種後6ヶ月後の3回、上腕の筋肉内に接種します。

<インフルエンザ>

9月から予約を受け付けています。今年度よりインターネット予約になります。

例年9月中に予約がいっぱいになってしまいますので早めにどうぞ。

当院では、以前より、保存剤のチメロサールを含まないワクチン(原価が少し高いです)を使用していましたが、2016年は熊本地震の影響で保存剤のチメロサールを含まないワクチンは国内ではほとんど製造販売されませんでした。

2017,2018年も同様でした。
今年2022年も保存剤のチメロサールを含まないワクチンはほとんどありません。

チメロサールが含まれていても医学的には心配ありません。
接種料金は、6ヶ月〜3歳未満の方は3000円、3歳以上は3500円となります。

13歳未満は2回接種が原則です。

<フルミスト>

菊池小児科では、平成26年度の秋より、鼻噴霧式(経鼻式)インフルエンザ生ワクチン「フルミスト」を個人輸入して接種を始めました。

日本では未承認ですが、アメリカでは2003年から、欧州では2011年から認可され使用されています。
アメリカでも欧州でも引き続き接種が勧められています。

今年(令和5年)は80人分を個人輸入します。

▼普通の注射による国産インフルエンザ不活化ワクチンとの違いは?

1)鼻にスプレーするだけなので痛くない。
2)インフルエンザウィルスが侵入する鼻腔に直接免疫をつけるので予防効果が高い。
3)生ワクチンなので、細胞性免疫も作るため、流行株とワクチン株が違った場合でも効果がある。
4)4種類のウィルス株(A型2種類、B型2種類)が入っている。国産のワクチンは3価でしたが、平成27年から4価になっています。
5)有効期間が長く、翌年の夏まで有効。
6)接種対象年齢は、2歳以上50歳未満。
7)特に2歳〜7歳で効果が高い。
8)接種回数は、ほとんどの方は1回。9歳未満でインフルエンザにかかったこともワクチン接種もしたことがない方は1ヶ月間隔で2回必要です。
9)日本では未承認なので、重症の副作用がでた場合、医薬品医療機器総合機構の補償がない。ワクチン輸入商社MONZENの補償はあるが、基本は自己責任での接種です。

▼どんな人におすすめ?

持病のない健康な子供で、不活化ワクチンをしても毎年かかってしまう人。
注射の痛みに敏感な人。
未承認ワクチンでも抵抗のない人。
受験生。
国産のワクチンとの同時接種で完璧です。

▼接種できない人は?

2歳未満と50歳以上の方。
1年以内に喘息発作のあった方。
免疫不全患者や抗がん剤治療をうけている方、またそういう患者さんをケアや介護している方。
心臓呼吸器肝臓糖尿病貧血神経系の病気をお持ちの方。
アスピリンを服用している方。
妊娠している方。
重度の卵白アレルギー、ゼラチンアレルギー、ゲンタマイシンアレルギー、アルギニンアレルギーの方。
ひどい鼻炎の方。

▼副反応は?

40%の方は接種後3日〜7日まで鼻炎になります。
その他、咽頭痛、発熱、頭痛、きわめて稀にショック、ギランバレー症候群などの報告がありますが、これは国産ワクチンと同様です。

料金は1回8500円です。
接種期間は10月下旬〜12月の予定です。
令和5年度は10
月より予約を受け付けます。